JUCHHEIM [音楽・映画・本]
先日wowowで放映していたので観てみました。
はっきり言ってイイ映画だと思いました。
「私が預かるのは捕虜であって囚人ではない!!」という所長のセリフが非常に心に残っており、人間の尊厳というものに並々ならぬ関心があるボクにとって、とても興味深い作品でした。
「劇中で「カルル・バウム」というドイツ人のパン職人が出てきますが、親切な日本人に助けてもらったところから微妙に物語が動き出すわけです。
「バウム」という名前のとおり、彼は劇中でもバウムクーヘンを焼くわけですが、エンドロールに「ユーハイム」の文字を発見してボクはハタと気付くわけです。彼の「神戸で洋菓子店を開きたい」という彼のセリフもあり、彼は「ユーハイムの創始者がモデルじゃないか」と思ったのですね・・。
そんなわけで調べてみました。
どうも彼はドイツの敗戦に伴い捕虜収容所を解散した後に横浜へ移住、そこで洋菓子店を開くも関東大震災で店を失い、その後神戸へやってきて店を開いたのが、やはり元町の「ユーハイム本店」だそうです。
劇中では「カルル・バウム」ですが、本名は「カール・ユーハイム(JUCHHEIM)」(かなりベタな役名ですね)。
彼は「日本ではじめてバーククーヘンを焼いた男」としても有名で、日本人の味覚にあわせて改良を重ねつつも、妥協を許さない菓子づくりをしたことが成功の理由であったと言われています。お菓子そのものだけではなく、それを入れる「容器」、つまりパッケージにこだわったのも特色で、その後の日本の洋菓子界の手本となったとも言われますね。
神戸の洋菓子といえば「モロゾフ」が有名ですが、モロゾフの創業者がはじめた「コスモポリタン」が頑なに本国の味にこだわり昨年ついに廃業に至ったのとは対照的ですね。
余談ですが、ボクは「ユーハイム」はもちろん、高島屋にある「ケーニヒスクローネ」も大好きです。
興味深い話ですね。
今度映画見てみます。
by Bee (2007-09-19 10:24)
松平健が出ていて、確か徳島でロケがあった・・・
っていう宣伝だけ覚えています。(^^;)
ユーハイムの創業者のお話?!
>「私が預かるのは捕虜であって囚人ではない!!」
これは素晴らしい言葉ですね。
by もきち (2007-09-19 13:08)
バウムクーヘンって子供のころは
けっこう贅沢なお菓子でしたー。
皮をはぐみたいにチョットずつ食べてたり。
by hiroad (2007-09-19 22:43)
>ココくんさん
機会があったら是非みてください。
第一次大戦中、青島(チンタオ)で捕虜になり日本に連れてこられた話です。
知らなかったことが多く面白かったですよ。
>もきちさん
ストーリーとしては、徳島に存在した捕虜収容所での日常を描いています。
ただ、そのなかの一人にパン職人のドイツ兵士が出てきます。
昔の映画で「大脱走」がありますが、そこの収容所所長も人権には理解があった人物と記憶してます。
>hiroadさん
高級品でしたね。
ボクも一皮づつ剥いて食べました。
それを収容所にいた元ドイツ兵が作ったと思うと感慨深いです。
by kert (2007-09-19 23:18)
私もこの映画見ました。第二次大戦時には、捕虜に散々な扱いをした日本軍ですが、当時はまだ武士の魂が残っていたんですね。
神戸にお住まいなんでしょうか。私も人生で何箇所か引っ越しましたが、神戸時代が一番懐かしく、今でも出身地は神戸と答えています。元町のエストローヤルのエクレアが美味しかったですね。モロゾフが廃業したのは知りませんでした。私もあれは好みではなかった。。。
by ランス (2007-09-21 03:38)
勘違いしてました。廃業したのはコスモポリタンですか。実はこれは食べたことがありません。
by ランス (2007-09-21 03:40)
>ランスさん
武士道精神の残る会津藩出身の所長達が良かったですね。
ボクは神戸どころか関西方面にも住んだことはなく、ただの神奈川県民です(笑
人の味覚や流行が変わっていくなか、伝統を守り続けるのは難しいですね。
職人と経営者、お互いが深く理解しあってないと、お店(メーカー)はすぐに淘汰されてしまいます。
by kert (2007-09-21 12:38)
東京にも住んでいましたが、東京でケーニヒスクローネって目にしたことが無く、神戸だけのものかと思っていました。ウェブサイト見たら、結構あちこちに店舗が増えたんですね。
by ランス (2007-09-21 13:40)
>ランスさん
なんでもそろっているので東京は便利ですね。
故に、あのお菓子は○○でしか買えない・・というプレミアム感は無くなってしまいましたが。
by kert (2007-09-22 10:07)